DREAMS Award 2012 第2回作文コンテスト 表彰式

DREAMS Award 2012 第2回作文コンテストの表彰式は2012年5月19日に都内で開催されました。選考委員の方々からの講評や感想と、受賞された2名の多発性硬化症(MS)患者さんのスピーチの概要をお伝えします。。

主催者代表挨拶

バイオジェン・アイデック・ジャパン代表取締役社長

レスリー・フォスブルック

寄せられた作文を通じて、患者さんの生活や人生を垣間見ることができました。受賞者お二人の作文は、家族や友人の支えや励ましの重要性を教えてくれます。どの患者さんも夢を持っており、結婚して家族を持ち、仕事でも成功したい、さらには他の人の役に立ちたいと考えていることに感動しました。作文を通じて先輩患者さんの経験を伝えれば、発症直後のMS患者さんの不安や動揺を減らせるでしょう。応募してくれた全ての患者さんに感謝しています。

選考委員長

日本多発性硬化症協会会長

井形 昭弘 先生

受賞作はいずれも、病気に負けてたまるかという強い情熱が感じられる感動的な作品でした。
結核やスモン病など、いくつもの病気と人間の戦いを見てきて、どんな病気にも原因があり、いつかは効果の高い予防法や治療法が見つかると確信しました。MSもそうなると信じています。そこに至る道のりは医療従事者や製薬会社と患者さんの共同作業です。患者さんの作文は、他の患者さんに勇気を与えるとともに、医療従事者への良い刺激になるでしょう。
次に、2人の受賞者が、作文を書いたきっかけやそこに込めた想いを語ってくださいました。
応募動機の1つ目は、他の患者さんを励ましたいという思いでした。発病当初、いつ再発するかわからないという状態に強い不安を感じました。それから1年しか経っていませんが、その間の経験を伝えることにより、当時の私と同じ境遇にある患者さんのお役にたてるのではと思いました。
2つ目は、周囲への感謝をかたちにしたいという気持ちです。心の中では感謝していてもそれを言葉にする機会はなかなかありません。この機会を借りようと思いました。
現在私は大学院に在学中で、化学を専攻しています。将来は専門を生かして薬剤設計にかかわることにより、MS治療の進歩に寄与したいと思っています。
作文を書いたきっかけは、募集の案内をMS患者友の会の会員に配布してくださいと頼まれたことでした。会員にお願いする手前、自分がまず書かなければと思い、作文のテーマを見て、結婚から39年経つけれど夫にありがとうって言ったことがあったかな、と考えました。夫は私の一番近くにいて、ずっと支えてきてくれたひと。彼のおかげで2人の子供を産むことができ、今は3人の孫もいる。そんな夫に今回初めてラブレターを書きました。
私の作文を読んだ娘と夫の会話を聞いて、わたし、彼に愛されているわ、と改めて思いました。

選考委員

全国多発性硬化症友の会 事務局長

坂本 秀夫 さん

選考委員として祝辞を述べさせていただきます。松田さんには、まだ見ぬ素晴らしいパートナーに出会えることをお祈りしております。佐藤さんの作文は、ご本人の人間的なすばらしさが十分に伝わってくる良い作品でした。
応募されたどの作文も、人生に感謝する気持ち、周りの人間に感謝する気持ちにあふれた、素晴らしい作品でした。常に感謝の気持ちを持って生きることが、明日からの人生を築くために重要だと私は考えています。

選考委員

京都民医連中央病院 神経内科顧問

齋田 孝彦 先生

どの作品も患者さんの想いや夢にあふれており、胸を打たれることが多く、受賞作を決めるのは辛い作業でした。
松田さんは若いのにしっかりした夢と意思を持っていらっしゃる。その夢を是非実現してください。佐藤さんは長年MSとつきあってきた方ですが、お会いするたびに明るく前向きな姿勢に心を打たれます。二人の命の輝きは、家族や親しい人に留まらず、医療従事者、製薬会社の人々にも輝きを与えてくれると確信しています。

選考委員

読売新聞東京本社 医療情報部 部長

南 砂 さん

どの作品からも、患者さんが周囲の人々に支えられて生きている様子が鮮やかに伝わってきました。
病を得る、という言葉がありますが、病気になるというのは決して失うばかりではない、同時に多くのものを得るのだ、ということを若い松田さんが実感し率直に書いていることに感銘を覚えました。また、診断から40年を超える佐藤さんが、健康な人でもできないほどの様々な活動に携わっていることに感動しました。 

特別選考委員

女子スピードスケート五輪メダリスト

岡崎 朋美 さん

上位8名の応募作品を読ませていただきました。どこで差をつけたらよいのか悩み、点数をつけるのがとても難しかったです。いずれも、周囲への感謝の気持ちが良く出ている素敵な作文でした。
どんな難病でもあきらめないで前向きに生きることはできる。そのためには周囲の支えが大切です。どんな時も人は支え合いながら生きています。支える側も感謝を受け止め、温かい気持ちで患者さんとともに過ごしていってください。

前列左から:松田さんのお母様、松田彩さん、佐藤仁子さん、佐藤さんのご主人様 
後列左から:南 砂さん、坂本秀夫さん、岡崎朋美さん、レスリー・フォスブルック、井形昭弘先生、齋田孝彦先生