DREAMS Award 2013 受賞作品 最優秀賞 小原 良子さん(岩手県 32歳)

「宝もの」

私が多発性硬化症と診断されたのは、結婚してすぐのことでした。式翌日、オーストラリアへ新婚旅行に出掛けました。日本に戻ると、その日から下肢に異常な感覚を感じたのです。周りから飛行機に乗っていたためのエコノミー症候群ではないかと言われ数日後に病院へ行きました。すぐに入院と言われ新婚生活は入院生活からの始まりでした。1週間後医師より多発性硬化症だとの説明を受けたのです。

欲しかった子どもも我慢し再発予防治療を始めました。痛い注射を旦那にも協力してもらいながら打ちました。症状も落ち着き、2年後赤ちゃんが出来旦那と喜びましたが、異常妊娠だと分かり手術してさよならしました。“結婚して良いこと何もない”と私はうつ状態に陥りました。旦那に支えられ元気を取り戻し翌年出来た赤ちゃんも流産してしまったのです。落ち込むばかりでした。

結婚して4年後3度目の妊娠が分かりました。しかし同時に今までにない上肢の違和感、再発でした。今度も赤ちゃんがダメになるのでは・・・と不安の毎日でした。治療も思うようにできないため症状と闘いながら過ごしました。

2012年11月7日、19時間以上の痛みに耐え、元気な赤ちゃんが産まれました。今まで生きて来て一番幸せに思いました。大切な大切な宝ものです。

再発予防のため授乳は1ヵ月半のみ。おっぱいをあげられなくなった時は泣いていましたが、再発せず子育て出来るようにこれからも治療に励み、宝ものを大切にし育てていきたいと思います。