DREAMS Award 2013 受賞作品 優秀賞 大橋 愛喜恵さん(大阪府 24歳)

「自分らしく、ぶれることなく前へ・・・」

多発性硬化症、ただしくは視神経脊髄型多発性硬化症になって6年。病気が発症するまでは他の誰とも変わらない、むしろ、自分の中ではとても充実した生活を送っていたと思っていた。しかし、ある日を境に視力を失い、少しずつ生活を変えなければならないようになっていった。何よりも、脳幹に脱髄がみられたときには、呼吸障害や嚥下障害などを始め命に関わるほどの後遺症が残り、大きく生活が変わった。最初は、何のために自分は生きているのだろう・・・という気持ちやなぜ病気になったのは自分だったのだろう・・・という気持ちが拭いきれず、悶々とした生活を送っていた。

しかし、患者会に参加するなど情報を集めたり、他の障がい者と関わるようになり、自分の中でも気づかないうちにこの病気を受け入れ、「自分は自分」「自分らしく地域で一人暮らしをしていきたい」という気持ちが高まっていった。

そして、今、私は重度の障害を持った人も地域で自分らしく暮らしていけるような支援をする団体のスタッフとして働いている。疲れやすい私は私のペースで、自分にできること、自分だからこそできることを頑張っている。特に力を入れているのは、「医療的ケアが必要でも地域で自分らしく暮らしていける」というのを自分自身の生活を通して伝えることだ。そのために、今は、仕事の一つとして講演会やフォーラムを開いたりして、多発性硬化症の理解や、医療的ケアを必要とする人の生活の理解、何よりも、どんな人も地域で生きていくことができるということへの理解を深めようとしている。

これからも、完全に治療法が確立するまでは、病気の再発の不安は心の中からは消えないであろう。しかし、今の私には、それ以上のやりがいのある仕事と共に働く仲間ができたからこそ、ぶれることなく、前に前に進んで行けるのではないのかと思う。