DREAMS Award 2014 受賞作品 優秀賞 鈴木 弘美さん(愛知県 45歳)

「遊ぼうよ」

「遊ぼうよ」
「一緒に遊ぼう」
絶望の中から生まれてきた小さな生命(いのち)。
今日も元気いっぱい。元気がはじけてる。命が、はじけてる。
ごはんも、お風呂も、大好き。遊ぶのも大好き。何でも、大好き。どこでもハイハイでついてくる。
元気、いっぱい。命、いっぱい。
「遊ぼう」
「一緒に、遊ぼうよ」
私が、多発性硬化症だと診断されたのは、三年程前のこと。どんどん歩けなくなってくる体、見えなくなっていく目。当時かかっていた医師の知識不足から何の治療もしてもらえず、またたく間にどんどん悪くなっていった私の体。
死への恐怖。離婚。失職。そして、何もかもなくなった。
一人ぼっち。絶望。
そんな中授かった、小さな生命(いのち)。
希望。お腹の中で、なかなか大きくならなかった生命(いのち)。祈り。無事に生まれてきますようにと、精一杯祈り続けた毎日。
赤ちゃん、無事に生まれてきた。千七百グラム。小さな小さな赤ちゃん、すくすく大きくなった。
そして、何でも大好き。ごはんもお風呂も、お昼寝も大好き。遊ぶのも、大好き。ハイハイでどこにでもついてくる。元気がはじけてる。生命(いのち)がはじけてる。
そうだ、生きたい。死にもの狂いで探した専門医を。そして、見つけた。新薬との出会い。
希望。そうだ、生きよう。
そうだ、遊ぼう。一緒に、たくさん、たくさん遊ぼう。一緒に、たくさん生きよう。うんと長生きしよう。
そうだ、遊ぼう。
一緒に、遊ぼう。
一緒に、うんと長生きしよう。